ある年の冬、
工房を訪れてくれた大竹様ご夫妻。
出来上がった結婚指輪を
お渡ししてから半年。
おふたりの結婚式の写真や映像を持って
工房に遊びに来てくれました。
ふたりの指にすっかり馴染んだ指輪。
工房での指輪づくりの思い出話を
たっぷりとうかがいました。
第1話
指輪に付いた傷がいい“味”になっています。
(※と=とおるさん/旦那様 ゆ=ゆみさん/奥様 ス=スタッフ)
ス お久しぶりです。お元気でしたか?
と はい、相変わらず元気でした。
ゆ 元気でした。なんだかとっても懐かしいです。
と ちょうど半年ぶり?
ゆ うん、そうだねえ。半年ぶりですよね。
ここで指輪つくったねえ。
楽しかったことを思い出します。
と うんうん、ほんと楽しかった。
ゆ (工具を指して)アレ使って、指輪、削ったね。
と うん、そうだね。
でもほんと、自分たちでまさかこんな指輪が作
れると思わなかったなあ。
ス 作ったときのことって覚えてますか?
ゆ 私、全部、覚えてます!(笑)
と 僕も覚えてるなあ。
ここでスタッフの方と、みんなで、ああでもな
い、こうでもないっていろいろ話しましたよね。
ゆ うんうん。
熱中して、気付いたら外が暗くなってました(笑)
ス そんなこともありましたね。
指輪はその後いかがですか?
と 指輪はですね、もうずいぶん傷つきましたよ(笑)
ゆ 二人ともなんだかんだで仕事柄、あっちこっち
にぶつけるので(笑)
と でもこの傷がいい感じに味になってます。
ゆ そうそう、そうなんです。
と すごくしっくりきてるし。
ス サイズは大丈夫ですか?
と もうバッチリです。
ゆ これって、すごく細かくサイズを見極めてくれ
て、自分の指に合わせて作ったからなんですよ
ね。
指輪ができあがって、つけ続けてみて、そっか、
あの時、測ってもらったのが、この“ピッタリ感”
なんだなあと思いました。
と 自分の指にピッタリ合うサイズを作れるってい
うのもハンドメイドならではなんだろうなと思
います。
ス 着け心地はいかがですか?
ゆ 着けていても違和感がまったくないですね。
と 指へのなじみもすごくいいです。
ゆ あ、あの作業なんでしたっけ?
ス “指なじみ”ですね。
ゆ あー、そうそう、指なじみ!
指輪のアームの内側の部分を滑らかに削ってあ
げるんですよね。
と やったやった。
あれ、ものすっごい真剣になってやったよね(笑)
ゆ そうそう。
私の指輪をトオル君が削ってくれてトオル君の
を私が削ったよね。
ス そうでしたね。お互いのを削りあっていらっし
ゃいましたよね。
指輪、ちょっと見せていただいていいですか?
夫妻 どうぞどうぞ、じっくり見てください(笑)
ス 指輪をお渡してからこうして“その後”のお二人
と指輪にお会いできるとすごく嬉しいです。
とてもステキにお二人の指輪に育ってますね。
ゆ 本当にとっても気に入っています。
と 職場の人にも言われるんだよね?
ゆ 私、介護の仕事をしているので勤務中は指輪を
はずすんですけど、着けているのを忘れてしま
うくらい着け心地が良くて、はずすのを忘れて
しまいそうになることがあるんです。
そうすると職場の人たちが、
「本当にその指輪が気に入ってるんだね」
って(笑)