第5話
二人のことをゆっくりと
振り返ることができました。
(※と=とおるさん/旦那様 ゆ=ゆみさん/奥様 ス=スタッフ)
ス ブライダルリング・ワークショップにいらして、
実際にご自分たちで指輪を作ってみていかがで
したか?
難しかったりしました?
と 僕は、今あらためて思うのは…
この工房で指輪を作りながら、自分たちのこと
をゆっくりと振り返ることができて、それもす
ごく良かったなあって思います。
ゆ そうだねえ。
なかなか二人でゆっくりと自分たちのことを話
す機会って、それまでありそうでなかったもん
ね。
と 工房で最初に他の人たちの作った指輪を見せて
もらったときは、
「こんなに指輪に意味を込める人がいるんだ」
「みんないろんな想いがあるんだなあ」
って思ったんですよね。
ゆ うんうん、私もそうでした。
でも、私たちも、いろいろ話をしていったら、
アイディアがいくつも出てきて、結果的に私た
ちの指輪もそうなって、想いが1つだけでなく
て、4つも5つも、こめることができました。
と そうだね。最初は本当に、内側に刻印を入れて、
外側は何もしなくていいかなくらいの発想しか
なかったもんね(笑)
ゆ なかったなかった(笑)
と ほんと、そうなんですよね。
僕らが最初に工房に持ってきたテーマ“雪の結晶”
を「1」とすると、工房に来てスタッフの方たち
といろいろ話していくなかで、それが「100」に
膨らんだって感じなんですよね。
ゆ うんうん、そうだねえ。
スタッフの方が私たちが描けないことを引き出
してくれました。
と それと、指輪のデザインもなんですけど、自分
たちの指のサイズをきちんと測って作ったのも
良かったなって思いました。
指にしっくりくるものができたので。
指輪ができて、初めて自分の指にはめたとき、
もう既にすごくしっくりきていて、
「あ、これが手作りっていうことか」
っていう感じがありましたね。
ゆ あったあった。
指輪の内側を削って、丸みを出して、指になじみ
やすくする作業をしたのも、それをしたからこん
なに着け心地がいいんだなあって思いました。
と お互いの指輪を、丁寧に丁寧に削って、丸く丸く、
着け心地が良くなるようにって、削りました。
ゆ 指輪を見るたび、いろいろなことを思い出すね。
と そうだね。
ゆ そうだ、それで、実は、いま私のお腹に赤ちゃん
がいるんですけど、いま、二人で赤ちゃんの名前
を考えているところなんです。
と 女の子っていうのがわかったので、どんな名前に
しようかってね。
ゆ まだ、未定なんですけど、雪の結晶にちなんだ
名前もいいかなって話しています。
と そうだね。
赤ちゃんに会える日を楽しみに、いま二人で考え
ています。
〜あとがき〜
後日、お二人からとても嬉しいお便りをいただきました。
無事にご出産され、
元気な元気な女の子の赤ちゃんが生まれたとのこと。
ご出産、本当におめでとうございます。
ご家族そろって健やかな日々を過ごされますように、
スタッフ一同、心よりお祈りしています。